2010年7月15日木曜日

死んだ恋人の笛 No.0009

ネバダ州に来ています。
久しぶりのアメリカ本土です。

昼夜逆なので、仕事がしにくいです。
お昼に寝てしまったので、夜もなかなか眠れないです。

ベッドの中で寝れなくてもんもんしているとき、
昔NYにいた時のことを
思い出してしまいました。


・・・


初めて住んだのは、14丁目の
暗い、開かない小さな窓の部屋。

眠れない。

部屋の電気も暗い。
なので本が読めない。

ネットがつながらない。
なのでPCも使えない。

一緒に行った師匠とは別の家。
師匠は執筆で忙しく遊んでくれない。

友達もいない。
夜さみしい。

マイナス14度。
外へタバコを吸いに出かけると凍える。

ケンタッキーでは注文したものと
違うものを入れられた。

ミスドでは「ここはドーナッツ買うところだ!」と
コーヒーを売ってもらえなかった。

タクシーでは「お前の英語はわからねえ」と
車を下ろされた。


いつも、、、

「帰りたい…」と
布団の中で枕を濡らしていました。



・・・



そんなある朝、
いつものように学校をサボって
42丁目で地下鉄を降りて、
構内を歩いていたら、
なんか素敵な音楽が聞こえてきたのです。


笛のような、
ちょっと物哀しい透き通る音で、
つい聞きいってしまいました。


音のもとを探すと、
なんかインディオみたいな感じの人たちが
変な笛を吹いています。



「これはケーナっていうんだよ」



ケーナは、竹とか木とかで作られる楽器で、
日本の尺八みたいなもの。

でも、口に当たるところは湿気を持つので、
骨を使うことも多いらしい。

南米では、自分の大切な人、奥さんや恋人が
亡くなると、その人の骨をケーナにして、

「死んでも、ずっと一緒」と、

亡き人をしのびながら吹き続ける、
そういう話があるそうです。



「俺はとてもこれを大切にしているんだ」と、
そのインディオ(みたいな感じの人)は教えてくれました。



その人のケーナが誰かの骨なのか、
それとも全く別のものなのかは
私にはわかりません。


でも、なんか悲しい音色の理由が
わかったような気がしました。



・・・



今も、彼らの曲をPCに入れて、たまに聞いています。


音楽の持つ力はすごいです。
ほんの一瞬で、世界を変えてしまうのです。


その音楽を聞くと、私は45度の酷暑のネバダ州から、
マイナス14度の極寒のNYの地下鉄構内に一瞬で移動できます。



その曲を聴いてそう感じるのは私だけだと思います。

でも、誰にでも同じような経験があるのではないでしょうか。



師匠がいつも言います。
私たちビジネスマンの武器は「言葉」です。


一瞬でその人の世界を変える、そんな言葉を磨きたいものですね。











これは秋の5thかPark Ave。

何年前かなあ・・・最近行ってないなあ。

4 件のコメント:

  1. こんにちは。田辺です。最近はアメリカからブログを書くということができるんですね。アメリカが身近に感じられてすごいです。
    今日は心に響くということを学ばせて頂きました。私も誰かの心に響く人でありたいな~と感じます。

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  2. 一さん、コメントありがとうございます!

    >私も誰かの心に響く人でありたい

    いいですね!常に「意識する」ということが一番大切な気がします!

    私もそうであるよう、頑張りたいと思います!

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  3. はじめまして、はのつきと申します。
    そうですね、言葉はすごい道具ですね。
    私が影響受けた言葉はどれもシンプルなのにその影響力は大!
    私の場合、何を言われたかより、
    誰に言われたかが大きいのかもしれませんが・・・。
    言葉を磨くことは、自分の内面も磨くことなんだろなー。と読んでて思いました。

    また、ブログ拝見させていただきます。

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  4. はのつきさん、コメントありがとうございます!

    >何を言われたかより誰に言われたか

    さすがですね!その通りだと思います!

    私自身も、一生懸命内面を磨いていきたいと思います!

    でも、私の場合はクレンザーが必要かも(汗)

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