2013年7月6日土曜日

勝負の勝ち方 No.0510

チャレンジがどうこう、という記事を書いたので、片手落ちになるといけないと思い、チャレンジを成功させるコツとして補足を書こうと思います。

まず、大前提として、チャレンジをできる人間でありたいね。失うものの怖さよりも、乗り越えた際の光を見て生きていきたいものだと思います。

で、、、

まあ、当たり前の話だけど、やみくもに何でもトライすればいいか?というと決してそうではありません。チャレンジがのるかそるかの勝負であった場合、やはりそこにはひとつの「勝ち方」というものがあります。

昨日の記事だと、とにかく捨て身で行け、という風に捉えがちになるかもなー、と思いました。

チャレンジが山を登るだけのものであればいいのですが、何らかの「勝負性」がついてまわることが多いはずです。ギャンブル性といってもいいかもしれません。

もし、「ダメで元々じゃい!」とかいって、なんでもかんでも捨て身で行ってギャンブルしてたのでは、人生がいくつあっても足りません。ホントに、いつかは振り出しに戻ることになってしまいます。

ということで、今日は、チャレンジを成功させるコツ、というか、勝負に勝つ、私の思うポイントをご紹介しましょう。


・・・


ちょっと変な話になるけどさ、男の子ならきっとわかりやすいと思う(女性の方ごめんなさい)ので、ケンカの強さに例えて良いかな?


ケンカの強さって、何だと思いますか?

体力?体が大きい?格闘技やってる?運動神経がいい?顔が恐い?

そういうもんじゃないの。


基本、普通の人間同士なら、どれだけ大きくても、格闘技が強くても、あまり関係ないの。だって、あの力道山やブルーザーブロディだって、ナイフ一本で死ぬんだよ。私たちが街でケンカになったとして、相手がブロディ以上の戦闘能力を持ってるなんてありえない。


どれだけ非力な人でも、ナイフ一本あれば、人間同士の戦闘能力なんてカンタンにひっくり返せるの。

つまり、ケンカの強さっていうのは、ちょっと違うところにあるのよ。


・・・


ふたつあります。

ひとつは、「つくり」です。


ケンカというものは、実は、殴り合うまでにほぼ勝負は決定しています。ケンカ慣れしてる人間はそれがうまいの。


「ケンカ慣れ=殴り合いが強い」という訳ではないの。
「ケンカになるまでの、自分が勝つ形に持って行くのがうまい」ということなの。


武田信玄だったっけ?「戦う前に勝て」なの。

もうひとつは、気迫だね。覚悟といってもいいと思うけど。


・・・


これまた変な話だけど、面白い例なので紹介するね。(こういう系の話が嫌いな人は読まないでね)

まあ、物語ていどに聞いてください。


私の友人に、交渉を生業としている人がいます。交渉人。プロのネゴシエイターです。


ずいぶん昔の話ですが、その人(Aさんとしましょう)がある相手ともめました。相手は社会的に見て、非常にややこしい人たちです。そして、Aさんは彼らとある喫茶店で話をすることになりました。


相手は5人ほど。Aさんは1人。

Aさんは実際かなり肉体的に強い人間なのですが、戦闘能力を比較したらかなり不利でしょう。


で、まあ、相手はいろいろプレッシャーをかけながら、話を有利に進めようとした訳です。人数が多いことをカサに着て「このままお前をさらってやろうか」とかなんだとか。肩をいからせて、暴力に訴えようとしてきます。上着の内側から黒い鉄の塊をチラチラ見せたりもします。


しかし、薄ら笑いを浮かべながら、Aさんは言いました。

「ははは、やれるもんならやってみい」

とニヤニヤ笑ってます。


相手は驚きます。何でこんな自信があるのか?理解ができなかったでしょう。気持ち悪かったと思います。

結果、相手方はAさんの気迫に押され、交渉はAさん有利に終わりました。


・・・


この話、面白いオチがあるのです。

1対5。

でも、Aさんはいちかばちかの勝負をかけた訳ではありません。やぶれかぶれで、ダメなら元々!と向かっていこうとした訳ではないのです。

実は、秘密がありました。その喫茶店にいたお客。

Aさんと、相手方が入ってくるまでに、すでに喫茶店にいた客。
ちょっと人数は忘れたのですが、、、多分30人くらい。


実は、話をするテーブル以外の、その店の全てのテーブルには、Aさんの若い衆が何食わぬ顔をして座っていたのです。


実は、Aさんと相手方の人数差は、、、

1対5ではなくて、30対5だったのです。


こっちが30。そりゃAさん、余裕あるわな。

いちいち、「オレ、30人連れてきたのー」なんて言わなくても、その「圧倒的な力があるがゆえの余裕」って、にじみ出るものなの。


話が終わった後、Aさんは「さあ、帰るか」と声をあげ、うーん、と背伸びをしながら、席を立ちました。そのとき、一斉に30人が同時に席を立ったそうです。


相手は驚いたでしょうね。
話してる最中には一切そんなことは言わなかったのだから。

驚く相手を尻目に、Aさん一行はゆうゆうと喫茶店を後にしました。


あ、ちなみに、Aさんは「おお、勘定はこっちで払とくで。人数多いからなあ」と相手方5人に言い、36人分のコーヒー代を支払い、帰ったそうです。笑えるね。


・・・


この話のポイントは、、、

戦う前に、すでに勝ってるということです。

どう転んでも、暴力的な行動に出た場合、相手の勝ち目はなかったのです。だって、30対5だから。相手がAさんをさらおうとしたら、逆にさらわれてしまう人数です。

で、そのバックボーンがあるからこそ、自信たっぷりに話ができて、結果、こちらの有利に交渉を進めました。

この場合のAさんの交渉の勝負のポイントは、実際の交渉(ケンカで言えば殴り合い)ではなく、その前の「相手の暴力にびくともしない環境づくり」だったのです。


・・・


かの徳川家康は、多分世界史上、現役が一番長かった軍人です。

15才くらいから74才まで戦争してたんだからね。
結果として、戦が一番うまかった日本人でしょう。

その家康の、晩年の戦は、とにかくかつシナリオをつくるくらい前準備を徹底的にやり、そのうえでシナリオを粛々と遂行するだけ、という戦ぶりでした。

戦の火ぶたが切られたときには、すでに勝敗は決している、というものです。

裸で戦場へ飛び出すのではなくて、鎧をしっかり着込み、武器を持って、味方を相手の倍以上つくり、完璧なまでの準備をして、、、

それから、脅そかに「勝利へのシナリオ」を遂行していくべきなのです。


・・・


ただ、どれだけ準備をしたところで、、、
100%確実ではありません。

どんな戦にも、どんな交渉、勝負にも不確定要素はあります。その不確定要素を、えいやっと行ってしまう気迫が必要なのです。


Aさんの場合も、相手がいきなり逆上して、その場でAさんを撃ち殺してしまう、というパターンもあるでしょう。しかし、その不確定要素は「たぶん、撃てない」と踏んでいくわけです。ギャンブル性のある勝負だけどかなり確率は低いです。衆人環境の中だしね。そうそう、なかなか撃てるものじゃない。


30人が後ろについている、ということが余裕、気迫になっていった訳ですね。しかも、みんなが見てるから恥ずかしいことできないしね。


・・・


結論です。


チャレンジ。
チャレンジはどんどんしていきましょう。

そして、その中に、もし何かの「勝負要素」があるのなら、、、


できる限り、ギャンブル性を排除してください。


勝つ確率を極限まで上げてください。
考えうる限り、全ての要素をつぶしてください。

そのうえで、最終的に不確定要素は必ず残ります。


そこで、前の記事の「負けたからって何やねん、最初に戻るだけや」と思って、突き進んでください。心を強く持ってください。


皆さん、戦う前に勝とうね。
考えうる全てのことをやり終えてから、それから初めて勝負だよ。


・・・


写真は、ちょっと前のだけど、私のお気に入りだよ!べガスでギャンブルに興じる平先生。横にいるのはステファニーさんというラティーナ、うしろは中国人のボディガードだよ!ギャンブルはしちゃダメだけど、なんか楽しそうだよ!

でわー







P、S にんにく通信

オレがAさんなら、交渉前にニンニクをたくさん食べていったな。だって、臭くて、相手が話するの嫌がって、こちらに有利になるかもしれないもんね!今度、Aさんに提案してみよう!

にんにくは偉大だね!



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